50代 女性 Nさん
症状:緑内障による症状はなし(視野は、左右共多少欠損あり)
病歴:高尿酸血症、脂質異常症にて内服中
ご相談内容
職場の健診で緑内障が疑われ、眼科を受診、緑内障と診断され、点眼薬治療を開始。現在、緑内障による症状はないが、失明率が高い病気であるので心配である。コレステロールと尿酸値が高く、食事療法が必要と言われたが、具体的にどの様にしたら良いかわからないので、病状に則した食事指導を受けたい。
これまでの食生活及び生活習慣
炭水化物が好きで多く食べてしまう習慣がある。食事の摂取時間が不規則。積極的な運動はしていないが、介護のお仕事なので、運動量は多い。
具体的な食事内容
・朝食:菓子パン、牛乳、ヤクルト
・昼食:コンビニ食材、豚丼や牛丼
・夕食:居酒屋で飲酒、揚げ物など
ご提案内容
原田医師が、「適切な点眼」の方法を指導しました。
食事療法については、尿酸値が高いため、タンパク質の必要量を体重1kgあたり、1gに設定しました。タンパク源として、オメガ3脂肪酸が豊富な青魚、および大豆製品、特に納豆の摂取を推奨しました。また、急激な血糖を上げる菓子パン、お肉や脂肪が多い食品を避けることと節酒を指導し、抗酸化物質とビタミンが豊富な緑黄色野菜や果物を積極的に摂取することを勧めました。更に、これらの食材で作り置きが可能なレシピをご提案しました。
ご提案した食事例
- 具沢山の野菜鍋
- 金時豆と干しエビ入り若玄米おにぎり
- 季節の皮付き果物と緑黄色野菜のスムージー
- 無塩のくるみを含むナッツ類
- 鮭とホタテの野菜蒸し
- めかぶととろろの納豆キムチ(アマニ油入り)
- ごぼうのスープ
ご感想
1カ月後の体調フローチャートでは、改善傾向がみられ、自炊をするようになり、体重が3kg減りました。身体の疲労感も軽減し、体調が良くなりました。あらためて食事の大切さを実感できたこと、とても感謝しています。これからも教えて頂いた食事療法を継続し、緑内障が進展しないように努力したいと思います。
【緑内障の対策】
- 適切な点眼が最も重要です
手をきれいに洗う。
頭を後方に傾け、天井を見つめるようにしてから 下まぶたを引いて1滴さす。
点眼後は静かにまぶたを閉じて、まばたきをしないで約1分間目をつぶる。
あふれた点眼液は清潔なガーゼやティッシュで抜き取る。
複数の点眼薬がある場合は、粘稠度の高いものを最後にさす。 - タンパク質不足にならないように留意する
(緑内障の方、特に女性はタンパク質摂取量が少ないことが報告されています。)
タンパク質は、体重1kgあたり、1-1.5gを摂取する。豆類やお魚、特にDHA/ EPAが豊富な青魚を摂取する。 - 緑黄色野菜をとる
ほうれん草やブロッコリー、パプリカ、かぼちゃなどの緑黄色野菜には黄斑部の色素に含まれるルテインやゼアキサンチンが多く含まれます。これらの野菜には、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどビタミン類も多く、さらに葉酸、食物繊維も豊富に含まれています。 - 抗酸化作用がある食材を摂取する
抗酸化作用のある食べ物は目の疲れを取り、涙の質をよくすると言われています。緑黄色野菜に豊富なビタミンC、ルテインやゼアキサンチン、ナッツに豊富なビタミンEは強力な抗酸化物質です。青魚の油に豊富なオメガ3脂肪酸も抗酸化作用のほか、血流を改善させる効果があります。