【60代 男性 Mさん】 糖尿病性網膜症 

60代 男性 Mさん

症状:倦怠感、体重減少、視力低下 
病歴:糖尿病にてインスリン治療中

ご相談内容

5年前に健診で、糖尿病を指摘されたが、自覚症状がないため放置。視力低下により、自動車免許の更新ができなかったため、眼科を受診。糖尿病網膜症と診断された。黄斑浮腫も認めたため、抗VEGF薬治療を開始、その後、黄斑浮腫は徐々に改善した。内科では、インスリン治療が導入され、栄養指導を受けたものの、妻と一緒に、より詳しく食事指導を受けたい。

これまでの食生活及び生活習慣

内科で栄養指導を受けたことで、暴飲暴食を避けるようになった。出来るだけ妻が作った食事を摂るようにしたところ、HbA1cが10.2%から8.8%まで低下したが、目標の7.0%以下にすることはできなかった。パンやパスタ、白米など精製された炭水化物が好きで多く食べてしまう習慣がある。運動は十分にできていない状態。

具体的な食事内容
・朝食:白米、味噌汁、ソーセージやハム
・昼食:糖質や脂肪分が多い日替わり定食
・夕食:白米2膳、野菜炒めなど

ご提案内容

下記の対策について、奥様とともに指導させていただきました。精製された炭水化物(特に白米)の摂取量が多いため、白米から玄米に、白米を摂取する場合はもち麦や雑穀米を添加するようにご提案しました。また、食物繊維を1日20g以上摂取していただくように、野菜、海藻、きのこなどを食べていただくように強く推奨しました。果物の摂取は糖質が少なく、抗酸化物質を多く含むベリー類を積極的に摂取するようにご提案しました。

運動については、平日の運動は難しいため、日常生活の中で実施可能なアイソメトリックトレーニングやストレッチを、週末は1時間ほどの有酸素運動をご提案しました。

ご提案した食事例

  • 金時豆と干しエビ入りの若玄米、納豆、めかぶ等を混ぜたワンプレート
  • 汁物
  • 社食(おかずのみ)
  • 玄米おにぎり(自宅より持参)
  • モズクのお浸し
  • アボカドと紫タマネギのサラダ(アマニオイルがけ)
  • 具沢山のカレー鍋
  • 干しエビ入りの若玄米

ご感想

1カ月後の体調フローチャートで、改善傾向がみられ、体重は減っていませんが、体調が良くなりました。随時、LINEで聞きたいことをご相談させて頂いたので、心強かったです。食事を作る妻も、楽しみながら調理を行うことができたので、喜んでいました。今後も夫婦で教えて頂いた健康食を続けて行きたいと思っています。本当にありがとうございました。

【糖尿病性網膜症の対策】

  • 内科と連携し、年齢や合併症の状態に合わせた血糖コントロールを行う
  • 禁煙・断酒
  • 適正な摂取エネルギー量を守る
  • 糖尿病に適した栄養バランスを保つ
    タンパク質:20%・炭水化物:50〜65%・脂質:残りのエネルギー(%) ※残りのエネルギーが25%を超える場合は、魚や植物の油に含まれる多価不飽和脂肪酸を増やす。
  • 1日3食、規則正しく食べる
  • 腹八分目とする
  • 食品の種類はできるだけ多くする
  • 食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、きのこなど)を摂る
  • 果物は1日100gまでにするが、ベリー類は糖質が少ないので200gまで許容する
  • 主食となる炭水化物は、食物繊維やミネラルが豊富な玄米や全粒粉にする
  • タンパク質は、お肉を避け、大豆食品や魚を中心とする
  • 単純糖質(砂糖など)を多く含む食品や飲料を避ける
  • ゆっくりよく噛んで食べる
  • 食べる順番に注意する
  • 血糖値の上昇を緩やかにさせる食物繊維(野菜・海草・ きのこ・こんにゃくなど)から食べる