50代 男性 Aさん
症状:物が歪んでみえる
病歴:脂質異常症で内服治療中
ご相談内容
これまでの食生活及び生活習慣
ビールや脂っこい丼ものやラーメン、お肉が好物で、野菜や果物は、積極的に取っていなかった。カップラーメンを週2回ほど食べ、外食は週3回ほどしている。仕事はデスクワークでパソコンを使用、運動習慣はほぼない。
具体的な食事内容
・朝食:ウインナー、目玉焼き、パンまたは白米、市販の甘いカフェオレ
・昼食:丼もの、ラーメン、コンビニの唐揚げやカツレツ弁当、カップラーメンとおにぎり、コーラなどぼ甘い炭酸飲料
・夕食:白米2膳、揚げ物、チャーシュー、ソーセージや肉炒め、冷凍食品のハンバーグ、晩酌:ビール500m1本
ご提案内容
原田医師から紫外線対策として、調光レンズの眼鏡をアドバイスしました。
食事療法として、まずは、ウインナーなどの加工肉や赤身肉、精製された炭水化物や甘い飲み物など、身体に良くない食材を避けていただくように指導しました。次に、野菜・果物、ナッツ、青魚など、身体に良い食材のメリットを説明し、積極的に取り入れてもらいました。生野菜と果物は好まれないため、朝食のみ抗酸化力の高い野菜と果物のスムージー、昼食と夕食は蒸し野菜や旬の野菜の具沢山味噌汁をご提案しました。
また、奥様のご負担を考え、作られたお食事をお弁当に使用出来るようにレシピを30日分ご提案しました。また、サプリメントとして、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、ルテインおよびゼアキサンチンを含有するものを処方しました。
Aさんのモチベーションを高めるため、ご夫婦で食生活の改善を指導させて頂き、ご夫婦で共通の目的意識をもつことで、相乗効果が期待できると思います。
運動療法として、眼や血管への負担が少ない、安静時平均心拍数から算出した20-30分程度の軽い有酸素運動を奥様とともに楽しみながら行うようにお勧めしました。
ご提案した食事例
Aさんの奥様より、ご相談いただきました。
Aさんは、30代後半より物が歪んで見えるようになり、現在、加齢黄斑変性症と診断され眼科で治療中。内科では、コレステロール値が高いため、薬を内服中。仕事でパソコンと向き合う時間が長く、常に眼の疲労感がある。内科と眼科の主治医から、悪化しない様に生活習慣を改善をするように言われたものの、具体的にどのようにしたら良いかわからないので、詳しい食事指導を受けたい。また、有効なサプリメントがあれば試してみたい。
- 緑黄色野菜と皮つき果物のスムージー
- 具沢山の野菜鍋
- 金時豆と干しエビ入りの若玄米おにぎり
- 紫玉ねぎともずくの三杯酢
- 旬の野菜の具沢山味噌汁
- ニンニクとごぼうのきんぴら
- 旬の天然魚の刺身
- 金時豆と干しエビ入りの若玄米
ご感想
食生活の改善とともに、眼の疲労感を減らす生活を実践いただいたことで、眼の症状もだいぶ楽になってきた。
体重はマイナス3キロとなり、身体の軽さを感じられる様になり身体が楽になった。
【加齢黄斑変性症の対策】
- 紫外線を防ぐ
紫外線は網膜にダメージを与えます。UVカット機能のあるサングラスの着用や調光レンズの眼鏡が推奨されます。 - 禁煙
加齢黄斑変性の予防に、禁煙は必須です。タバコを吸う人はそうでない人に比べて加齢黄斑変性になるリスクが高いことが明らかになっています。 - 緑黄色野菜をとる
ほうれん草やブロッコリー、パプリカ、かぼちゃなどの緑黄色野菜には黄斑部の色素に含まれるルテインやゼアキサンチンが多く含まれます。これらの野菜には、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどビタミン類も多く、さらに葉酸、食物繊維も豊富に含まれています。 - サプリメントを摂取する
活性酸素の悪影響から網膜の細胞を守る働きのあるビタミンCやビタミンEなどのビタミン類、亜鉛などをサプリメントで服用すると、加齢黄斑変性の発症や進行のリスクが低くなることがわかっています。また、黄斑部を守るには、ルテインやゼアキサンチンのサプリメントを摂ることも選択肢になります。